教育とか、英語とか
突然のように学校の「9月入学・始業」が取り沙汰されるようになった。私はほぼ1ヶ月前から「9月始業」を唱えてきたので、本来これを喜ぶべきなのだろう。もちろん、「今頃になって遅すぎる」という不満はある。けれど、議論の初動が遅れるのはやむを得ないと…
4月1日のエントリと前回のエントリで、「COVID-19による学校閉鎖問題のひとつの解決策としての9月新学期への制度変更」について書いた。この問題に関しては緊急に議論を深める必要があると思う。その議論はもちろん、こんな片隅の雑記ブログなどではなく、国…
先週末あたりから急にこのブログへの検索からの流入が増えたなと思っていたら、その頃、有名教育評論家が「9月新学期」を言い出したらしい。そして、それを受けて文部科学大臣も「様々なところで声が上がっていることは承知している」みたいなことを言ったと…
専門的な文書、論文であるとか専門書であるとかを翻訳する場合には、まずはその分野の基礎知識がなければならない。とはいえ、依頼が来てからきっちり勉強していたのでは間に合わないから、だいたいは参考文献リストとかから見当をつけて、周辺の文献を大急…
4月は学校新年度、というのはもう日本では明治以来常識であって、それを前提にした文化も定着している。入学式には桜の花吹雪だし(最近は温暖化と流行歌のせいで桜はすっかり卒業式に前倒しになったが)、教科書も春から始まる。たとえば小学校の理科では春…
はるか昔、英語の翻訳を学んでいたとき、「翻訳者は裏切り者」( translator is a traitor)という言葉を教えてもらった。元はイタリア語だということで、半分は音が似た単語を並べた言葉遊び(traduttore, traditore)とのことでもあるけれど、現実にそんな…
渋谷区が小中学生向けに導入を決めたタブレットのコストが1人あたり27万円に上ることが話題になっている。これが高いのか安いのか、それは考えかたによるだろう。だが、問題はそこではない。 www.excite.co.jp note.com ざっくり言ってしまえば、区が要求し…
私の観測範囲だけのことではあるのだけれど、現代の小学校、中学校、一部の高校においては、パソコンを使用した提出物を受け入れない。もちろん細かいことをいえば例外はあって、たとえば小学校の夏休みの自由課題なんかでパソコンを使った研究みたいなのは…
大学入試改革が荒れている。改革の目玉の二本柱を失って、「結局センター試験とどう違うの?」という結末が見えてきたのだけれど、まあ変わるところは変わるんだろう。そして、この一連の報道を見てきて、入試に対する自分の感覚は世間一般とずいぶんズレて…
家庭教師の端くれとして再び学習産業にかかわるようになってもうちょっとで丸7年になる。「再び」というのは若い頃に出版業界の片隅の「学参」とよばれる分野で仕事をするようになり、20年ばかりその周辺で仕事をしてきた過去があるからだ。そういった「子ど…
「入試制度改革」とそのドタバタ劇(特に「民間試験導入」をめぐるもの)を、私は冷ややかな目で見ている。高校生も教える家庭教師として無関係ではないし、実際その動向は商売にも大きく影響するのだけれど、どっちかというと「アホなことは勝手にやってく…
睡眠時間は成長期の子どもにもっとも重要だというのに 九州(あるいは福岡県)の高校には、「0限目」あるいは「朝課外」というものがあるらしい。たまにネット上の記事で目にすることもあったし、このブログのコメントでもそういう話が出ていたことがある。 …
白状すると私はノートを1冊使い切ったことがない。いわゆる大学ノート、学習用のノートのことだ。その小型版の手帳でさえ使い切ったことがない。途中からそれははっきりとわかったので、大学の山岳部にいたときには必要な枚数だけ白紙を小さく切ってホチキス…
どっちがホンネ? 子どもたちの教育はなんのため、と尋ねられれば、まずは「健全な発達と成長を促し、おとなになってからの充実した人生に備えるため」と答えるべきだろう。子どもは、周囲からどんどん新たな情報を吸収し、それを自分のなかで体系づけながら…
つい数日前のことだ。中学1年生の親御さんに「夏休みに何をさせたらいいでしょうか?」と質問を受けた。小学校から中学校に上がるに際して成績が下がることが不安だからと4月から新たに教えることになった生徒だ。ご両親の不安は的中して、家庭教師を付けた…
理念は耳にタコ どちらかといえば発達障害気味だった私は子どもの頃、よく叱られた。特に宿題では、しょっちゅう担任教師に説教をされた。小学校高学年以降の宿題提出率はほぼゼロだったから(小学校4年生までは宿題そのものがなかったように思うのだが、そ…
What business are you in? 私は「ガープの世界」以来のジョン・アーヴィングのファンなのだが、彼の作品群のなかで特に印象に残っているシーンがある。季節労働者の作業場でもあり宿所でもあるサイダーハウスでリンゴ酒の醸造中に、労働者のひとりであるジ…
障害者について何かを書けるほど、私は障害者のことを知らない。もちろん身近にも障害者はいて、たとえば老齢の父親は近頃、障害者手帳を交付された。役所に行って手続きをしたのは私だから、これはまちがいない。ただ、だからといって障害者のことが以前よ…
How many roads must a man walk down before you call him a man. ボブ・ディランの出世作、風に吹かれての歌い出しだ。いろいろ解釈はあるだろうが、人間は生物学的な存在だけでは人間ではなく、社会的に一人前と認められることが必要だ、というふうに読み…
「%」がわからない? 日本の大学生がパーセントを理解できていないというようなブログ記事を見かけた。 toyokeizai.net日本の大学生が「%」を理解できなくなった理由 | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 大学生が百分率を理…
以前、機械翻訳の進化について翻訳者として感じることを記事に書いた。実のところ、この記事以前にも何度もあちこちで書いていることではある。時代が進むにつれて、アップデート的に書いているわけだ。 mazmot.hatenablog.com そしてまた少し変化があったら…
不登校の話が出る度に関連の話題として自ブログのリンクを貼っていたら、けっこうアクセスがあった。この記事だ。 mazmot.hatenablog.com 上記の記事では不登校の無視できない部分を占める起立性調節障害に関してサマータイムが悪影響を与えるだろうというこ…
子ども向けの教材、いわゆる「学参」を編集する業界にいたときには、「これ1冊でOK!」とか、「ズバリ!」とか、「基礎の基礎」とか、とにかく勉強になにか秘法があってそれさえ習得すればどんどん点数が伸びるような錯覚を抱かせるような表現をずいぶんと使…
家庭教師で新しい生徒をもったときにもっとも重要なのは、現状を把握することだ。ということで多くの家庭教師は「テストの点数を教えて」というのだが、そんなもので生徒の現状がわかるはずはない。点数やその推移は参考にはなるし、戦略を立てる上でも重要…
ひとつ前のエントリが、久々にホッテントリ入りした。こんなマイナーなブログ書いていると、それだけで舞い上がってしまう。 mazmot.hatenablog.com だが、この記事、思い入れも時間もないままに書きなぐったものだから、改めて振り返ってみると、いろいろと…
たぶん他の家庭教師はやらないことなのだけれど、私は特殊な事例を除いてほぼ受け持ったすべての小学生、中学生、高校生に対して、小学1年生の算数の復習から数学(算数)の指導をスタートする。なにしろ、学校で教えられる教科のなかでも数学はことさらに積…
オリンピック(やめときゃいいのに)とかに関連してサマータイム導入が提案されていること(余計なことだ)について、 anond.hatelabo.jp サマータイムは教育にこそ大きな影響を及ぼす という話が増田(通称:アノニマスダイアリー、あ、逆だわ)にあった。…
私の生業の半分を占める家庭教師では、結果がすべてだ。それがいちばんシビアに出てくるのが入試結果で、合格すれば「ありがとうございます! 家庭教師をお願いしてよかった」となるし、不合格なら「高いお金を払ったのになんだよ」と、たとえ面と向かって言…
なんか、増田ばっかり見てるようで「ヒマ人か」とバカにされそうでもあるのだけれど、ここのとこ体調がイマイチで、気合を入れて行動するだけのエネルギーがなかなかとれない。そのエネルギーを本来はそれほどエネルギーを要求されないはずの家庭教師の仕事…
家庭教師をやっていると、けっこうな確率で学習障害、発達障害など、ハンディを抱えた生徒に遭遇する。理由はかんたんで、そういうハンディを抱えた子どもは、サポートを必要とする。必要なサポートが得られなければ、高額な負担をしてでも家庭教師を雇わな…