2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

健康は金では買えないが、金がなければ健康は損なわれる、という話

「子どもの貧困とライフチャンス」の第6章は、「ライフチャンスには健康が必須条件だ。健康のためにはそれをささえる経済資源が必須だ。つまり、貧困対策をしなければならない」という理屈で論が展開される。これは2010年に出された報告書、通称マーモット・…

学校というやっかいな存在

私は学校がきらいだ。自分自身の経験として、すきではない。学校の唯一の魅力は友だちとあえることであって、それ以上ではない。授業のすべてがつまらなかったかといえばさすがにそこまでではなく、たまにおもしろい授業をしてくれる教師もいた。けれど、そ…

幼児教育は有効なのか? - 「教育」という意味ではなく

「子どもの貧困とライフチャンス」という本の第4章は、保育・幼児教育と子どものライフチャンスについて書かれてある。私は近所の保育園に縁あって年に何度かお邪魔するぐらいの関係は小さな子どもたちとつないでいる。なので、この章にはとくに関心があった…

「家庭崩壊」が原因か? - 子どもの「チャンス」をそこなわないために

「子どもの貧困とライフチャンス」の第3章は、「家族」に対する考えかた、価値観の相違について改めて考えさせてくれる。というのも、日本ではたとえば夫婦別姓問題をつうじて、「家族の絆」を主張する保守政治家の存在が浮き彫りになり、その一方で同性カッ…

なにはなくとも銭と金 - 低所得はライフチャンスをそこなう

「子どもの貧困とライフチャンス」の第2章は、お金の問題だ。それは冒頭にはっきりと書いてある。「子どものライフチャンスを改善することをねらった戦略を立てるのであれば……、適切な世帯所得をあらゆる家族に保障できるような計画を含めることが必要になる…

「ライフチャンス」って?

最初、この「子どもの貧困とライフチャンス」の原本を受けとったとき、「なんじゃいな、これは」とおもった。というのも、門外漢の私にとってlifechanceといえば生存機会であり、すなわちそれは生きるか死ぬかの問題であるようにおもえたからだ。「そんな御…

「子どもの貧困とライフチャンス」が出ます

久しぶりに、翻訳者としてのクレジットがはいった本が出る。英語の出版で謝辞を入れてもらったのはここ10年で2度ほどあるけれど、それは翻訳者としてではなくそのコーディネイトをしたという意味でしかない。翻訳者として名前を出してもらえるのは15年ぶりぐ…