貧しさと人生と

ブコメが怖い

ブログを書いている以上、少しでも多くの人に読んでもらいたいのは当然のことだ。読んでほしくなければ非公開設定だってある。そして、はてなブログの場合、ブックマークがつくと露出が高まる。より多くの人に読んでもらえる。だからブックマークがつくのは…

息子の動画を非公開にした - 春の大掃除

私の息子は、(親バカが言うのもなんだけれど)才能のある人だ。小学生の頃は落語家で、イベントの出演や施設の慰問にしょっちゅう出かけていた。もちろん小学生のやることだからしょせんは素人芸でしかないのだけれど、それでもあんなふうに何百人もの聴衆…

退屈からの脱出 - なんだかわけのわからない予告として

ラジオが好きなのは、自分の好みの範疇からはみ出して、新しい音楽を聞けるからだ。アルバムを漁ったり(若い頃はレコード屋に入ったらなかなか出てこれなかった)、あるいはいまならYouTubeで検索したりして音楽を聞くと、どうしても自分に馴染みのあるもの…

待ちぼうけ

1時間余の暇ができたから会って話をしましょうと約束をしていたのに、その人は現れない。場所をまちがえたことに気がついたのは、もう次の予定が入っている直前だった。あわてて連絡をとったけれど、その時点ではもう会えないことがはっきりしてしまっていた…

PCR検査を受けた話

ここ1週間ばかり、ちょっとした騒ぎがあった。発端は高校3年生になる息子の発熱である。 息子は、箱入りで育てたせいか無理のきかない性質があって、フル稼働運転を続けるとどこかでダウンして熱を出す。そういう人だとわかっているので、今回、熱を出したの…

子どもの世界は安全になったのか - 子どもの目に映る世界

昭和の子どもの世界は非常に危険だった。直接的な危害だけでも、私の記憶の中には「あれは本当に危なかった」というのがいくつかある。たとえば、当時、宅地化が進みつつあった私の家の近所には、(子どもの目からみて)広大なジャンクヤードがあった。廃物…

Web 2.0 以前のテレワーク - ノマド的生き方の思い出

私は若いころ、学参業界と呼ばれた出版業界の片隅でフリーの編集者をしていた。地味で泥臭い仕事で、だから大学を卒業しなかった私でも潜り込むことができたわけだ。主な業務は原稿作成から下版までの校正作業を含む一切だ。写植の時代から電算写植、DTP黎明…

インスタントラーメンの思い出

世間のひとに比べれば、私はインスタントラーメンを食べないのだと思う。半年ほど前だったか、従姉妹と話していて、「月に1袋か2袋ぐらいは食べるかなあ」と言ったら、「うそ、あんなん、毎日食べるやん!」と驚かれた。月に1袋か2袋というのはそれでも私の…

フリーランスという生き方と会社と - 遠い予告編

正社員的な雇用をされていた人が独立して自営業として、あるいは事業を立ち上げて、同じ業務に携わるのは、珍しいことではない。私の周辺のごく狭い世界でも、たとえば去年、家庭教師の会社の営業をしていた若い人が独立して営業専門の会社を立ち上げた。若…

ブログタイトル変更しました

ブログのタイトルを「シアワセの容相」から、「天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて」に変更した。何かきっかけがあったわけではない。ただ、そろそろ変更してもいいのかなという気がしてきた。それだけのことだ。 もともと、「シアワセの容相」というタイト…

EVオーナーへの道は遠い - タイムリミットは近づいているのに

太陽光発電の買取制度で定められた固定価格での買い取り期間が、我が家でもあと半年で終了する。制度の開始から10年、ウチは開始年度の申込みは逃したが、まだまだ高値で売れた2010年には間に合った。ちなみに、当初買取価格の42円とか、次の年度の38円とか…

なぜ秋の高山に登ることが危険なのか - 後悔をこめて

以下に書くのは、いまとなっては素人同然の都会の人間が自分の感覚で書くことであり、統計などの根拠が何らない単なる「個人的な意見」である。けれど、かつてを思えば登山者が減り、そして樹林限界を超えるような高山に関して知る人が減少しているように見…

菜っ葉の炊いたんについて

昭和のおかずの代表的なものは「菜っ葉の炊いたん」だと思うのだが、この呼び方、既に若い人には通じないのかもしれない。 anond.hatelabo.jp 京都人だが炊いたんが通じない 京都に限らない。私は大阪の河内地方の出身だが、子どもの頃には「菜っ葉の炊いた…

あるマラソンランナーのゴール

マラソン大会は何度か見に行った。父親が還暦を超えてからそういう趣味にハマってしまったからだ。12年間のランナーとしてのキャリアで26回フルマラソン大会に参加してすべて完走したのだから立派なものだ。私には真似できない。真似する気もなくて、それで…

蚊帳を吊っている

子どもの頃、夏になると蚊帳を吊っていた。どこの家でもそうだったのかまでは知らない。田舎の方ではヤブ蚊が多いから、蚊帳は普通だったのではないかと思う。ただし、それほど長い間ではなかったようにも思う。そのうちに蚊は蚊取り線香で追い払うようにな…

畑ぐらい手伝えよ、の理想と現実

あまり自分とは関係のない増田(通称アノニマスダイアリー、いや、逆だ)記事に雑なコメントをつけたらそこそこに星がついた。雑なコメントをだったなあと思うけど、書き直すには長くなるので、こっちで追記みたいなことをしておこう。ま、元記事の趣旨とは…

人に死ぬ時期を決める自由はない、という話

半年ほど前から、老齢の父親の調子がよくない。それでもどうにか生きながらえて年を越すことができた。感謝すべきなのだろう。 だが、素直に喜べないのは、病床にあって父親が日々苦しんでいるのを知っているからだ。循環器系にガタがきていて、身体全体に酸…

疑いだしたらきりがないという話

どうでもいいブコメに割とホシがついているので、補足しておこう。 家に届いた怪しげな封書がこちら→調べてみたらやっぱり詐欺だった「何と手の込んだことを」 - Togetter こないだ実家に「警察です、特殊詐欺が増えていますのでご用心を」とかいう人が来た…

小麦って知っているようで知らない? - 麦の思い出

以前どうでもいいような増田の記事にどうでもいいようなコメントを書いたのが、地道に星を集めている。へえ、案外とみんな、小麦のことを知らないのかなと思って、自分の経験をひけらかしてみる。専門家から見たらたぶん誤解と誤謬に満ちた怪情報になってし…

人殺しは特殊なことではない - 内なる残虐性を見落とさないために

昔は列車内でよく本を読んだ。最近それほどでもない理由は、クルマを運転するようになって電車移動の時間が減ったことでもあるが、パソコンのバッテリの性能が上がって、座れる限りはラップトップで仕事してることの方が増えたからでもある。いいことなのか…

熱い人に出会わない

これまでの人生で、何度も熱い人に出会ってきた。その多くはただ熱いだけ、暑苦しいだけの人だったが、なかには「この人は確かに情熱に見合った行動力がある」と思わせてくれる人もいた。何人かのそんな人の下で働くことができたのはラッキーだったと思う。 …

真実以後にモノを書くこと - あるいは私小説家とブロガーと

若い頃、「気軽に『真実』という言葉を使うな」と釘を刺されたことがある。もう記憶もはっきりしていないのだけれど、たぶん酒の席かなんかで、「君の言う『真実』は、単なる『事実』だろう。事実をいくら積み上げても真実には至らない」というような話では…

図書館の本は待って読もうよ - マックで女子高生ならぬ、ファミレスで女子中学生の話題に反応して

図書館の歴史は古い。「図書館」といえば少し意味が狭まるが、ライブラリ、つまり情報を蓄積した場所ということならば古代メソポタミアの粘土板の時代まで遡るそうだ。情報が紙に記載されていた時代には図書館は当然紙の文書の保管庫であり、教会や大学のよ…

スパム発信者になってしまった! - これは自分を振り返る機会かもしれない

今朝(というよりもう昨日の朝)、メールを見たら、契約しているレンタルサーバーから「メール送信件数の上限を超過しております」との連絡。やばいよ! 全く心当たりがないのに、1000件以上のメールが送信されている。あわてた。 よく聞く話だがどこか遠い…

男の子は働かない。 - ユニセフの報告書、だそうだ

BBCのニュースを見ていると、ユニセフの報告書によれば少女が少年に比べて40%も多く無賃金労働をさせられている、とのこと。世界的に。この場合の少女の定義は10歳から14歳らしい。無賃金でというのは、つまりは家事労働。料理や掃除といった日本でも想像し…

正確な定義の重要性 ─ 不毛な論議を避けるために

「教師の仕事」はいったい何? 「中学校教師の「保健室に通うやっかいな子」という相談に対しての回答が素晴らしいと話題に」という記事に対して多くのブコメがついているので気になってみてみたら、ずいぶんと否定的な反応が多いのにびっくりした。それを読…

カナリアは死ななくていい ─ もしくは、よりよい未来をつくるために

大義のためにはLED 「LEDって、みんな平気なの?」 突然そう尋ねられたのは、車がトンネルの中を走っているときだった。 「LEDの光って、刺激が強すぎない? 気持ちが攻撃的になってしまう」 確かにLEDの光は人工的だ。けれど、私はそこまでは思わない。光の…

日記 ─ または、糖尿病患者との7分間

週末に遠出をするので、昨日、車屋にオイル交換と点検をお願いに行った。近所のブックオフで時間を潰し、約束の時間を気にしながらガレージの前まで来たときに、声をかけられた──ような気がした。 ずいぶんとゆっくり歩いている人がいるなあとは思っていた。…

貧困に対処すること ─ あるいは、とりあえずMNPしようよという話?

あなたの貧困は私の貧困ではないという奇妙な話 貧困は、解決しなければならない問題だろうか。そりゃあ当然だろうと、多くの人がいうはず。けれど、そのときのイメージは、実は人によって大きくちがう。イメージがちがうから、話がかみ合わない。本日はそう…

Mさんへの報告 ─ または「人生にムダなどない」ということについて

若気の至りに痛い苦言 Mさんは、私のクラブの先輩であると同時に顧問教官という立場でもあった。だから、私が大学をやめるにあたって、心配、というよりももっと高い立場からの意見を出してくれた。もちろん若造の私は耳を傾けようとさえしなかった。が、け…