2018-01-01から1年間の記事一覧

天皇空位論 - 伝統との折り合いをつけるための一試論

平成も終わろうとしている。こういうことを平成30年の年末に書くとすぐに「平成31年があるのを知らないのか」みたいなツッコミを受けるのだが、なにもあと数時間で終わるというつもりで書いているわけではない。あと数ヶ月で終わろうとしている。新元号がど…

疑いだしたらきりがないという話

どうでもいいブコメに割とホシがついているので、補足しておこう。 家に届いた怪しげな封書がこちら→調べてみたらやっぱり詐欺だった「何と手の込んだことを」 - Togetter こないだ実家に「警察です、特殊詐欺が増えていますのでご用心を」とかいう人が来た…

なんでカタカナ読みで英語を教えるのか - いまだに謎

家庭教師で新しい生徒をもったときにもっとも重要なのは、現状を把握することだ。ということで多くの家庭教師は「テストの点数を教えて」というのだが、そんなもので生徒の現状がわかるはずはない。点数やその推移は参考にはなるし、戦略を立てる上でも重要…

小麦って知っているようで知らない? - 麦の思い出

以前どうでもいいような増田の記事にどうでもいいようなコメントを書いたのが、地道に星を集めている。へえ、案外とみんな、小麦のことを知らないのかなと思って、自分の経験をひけらかしてみる。専門家から見たらたぶん誤解と誤謬に満ちた怪情報になってし…

足し算でさえ、奥は深い

ひとつ前のエントリが、久々にホッテントリ入りした。こんなマイナーなブログ書いていると、それだけで舞い上がってしまう。 mazmot.hatenablog.com だが、この記事、思い入れも時間もないままに書きなぐったものだから、改めて振り返ってみると、いろいろと…

小中学生は足し算を正しく理解しているか? - 正しさは人によってちがうのだけれど

たぶん他の家庭教師はやらないことなのだけれど、私は特殊な事例を除いてほぼ受け持ったすべての小学生、中学生、高校生に対して、小学1年生の算数の復習から数学(算数)の指導をスタートする。なにしろ、学校で教えられる教科のなかでも数学はことさらに積…

自然という言葉の使用に、もっと謙虚でありたい

ひとつ前のエントリで睡眠時間のことに関して書いたら、id:hungchang さんからお叱りを頂いた。 mazmot.hatenablog.com chikada.hatenablog.com ま、しょせんブログなんて便所の落書きの長いやつに過ぎないんだし、査読があるわけでもない場で厳密な議論なん…

学校の始業時間はもっと遅くてもいい

オリンピック(やめときゃいいのに)とかに関連してサマータイム導入が提案されていること(余計なことだ)について、 anond.hatelabo.jp サマータイムは教育にこそ大きな影響を及ぼす という話が増田(通称:アノニマスダイアリー、あ、逆だわ)にあった。…

錯覚資産を息子に与えた話 - ブルデューを想いながら

「勘違いさせる力」を「錯覚資産」と位置づけるブログ記事(というよりも書籍の一部らしい)が話題になっているようだ。たしかに、錯覚を起こさせることでそれを経済的な力(具体的には例えばお金)に替えることができるのならそれは資産として扱うこともで…

医師は男性で看護師は女性 - 文化としての医療

先月、父親が入院した。どこがわるいわけでもない、というよりも、(検査の数値的には)わるいところだらけで、そういった数値からだけではいったいなにが原因なのか特定は非常にしにくい。ともかくも、ふらふらになってぶったおれそうだったので、とりあえ…

「結果」は解釈抜きに成り立たない、という話 - 成果主義のマヤカシについて

私の生業の半分を占める家庭教師では、結果がすべてだ。それがいちばんシビアに出てくるのが入試結果で、合格すれば「ありがとうございます! 家庭教師をお願いしてよかった」となるし、不合格なら「高いお金を払ったのになんだよ」と、たとえ面と向かって言…

「正しい教育」を不可能にしているもの

なんか、増田ばっかり見てるようで「ヒマ人か」とバカにされそうでもあるのだけれど、ここのとこ体調がイマイチで、気合を入れて行動するだけのエネルギーがなかなかとれない。そのエネルギーを本来はそれほどエネルギーを要求されないはずの家庭教師の仕事…

規格外を認めない学校システム

家庭教師をやっていると、けっこうな確率で学習障害、発達障害など、ハンディを抱えた生徒に遭遇する。理由はかんたんで、そういうハンディを抱えた子どもは、サポートを必要とする。必要なサポートが得られなければ、高額な負担をしてでも家庭教師を雇わな…

人は、人の能力を正しく測定できるのだろうか?

ある人に何かの能力があるかどうかを知るには、実際にそのタスクをやってもらうのがいちばんだ。たとえば、ある人がお茶を点てることができるかどうかを知りたければ、お点前をお願いすればいい。よどみない動作で美味しいお茶をいれてくれたら、素人目にも…

60年前のスパゲティレシピについて

なんか、しょうもない増田につけたコメントにやたらと星がついてるみたいなので、補足しておく。いや、補足するほどの情報もないのだけれど、ちょっと誤解を招いてはいけないなあとも思ったので。 30年前のスパゲッティ 一方、60年前に出された料理本には、…

「文化の格差」という捉え方をやめよう - ちがっているのがあたりまえ

地方都市は住みやすい 若い頃、田舎まわりをしていた。それについて書き始めたら長編小説並みの自分語りになるのでやらないが(いつか書き残しておきたいとは思うけど)、沖縄を除いてほとんどの都道府県に足を踏み入れた。風来坊を泊めてくれる奇特な農家の…

「やる気」という神様

(以下、「家庭教師のための講座」のための原稿下書き) 生徒に教えていると、「やる気」がなくて困ることって、たくさんありますよね。生徒の「やる気」がなくて困ったこと──そうですよね、皆さん、大きく頷いてらっしゃいます。皆さんの経験でけっこうです…

数学教育の意味と、残念なその現状について

学校で数学を学ぶのは、何のためなのだろうか。家庭教師として生徒と数学を始めるとき、だいたいは最初のうちにここを生徒に確認する。「何のために数学やるの?」。多くの生徒が「将来困るから」みたいなことを答えるので、「学校で習う数学を使うことなん…

合理的に見える話は案外と危険

世の中、ちょっと考えればウソだとわかることにころっと騙される人が多い。いや、私もけっこう騙される方で、子どもの頃にはあの有名な「消防署の方から来ました」に騙されて、親の留守中に消火器を買わされてしまった経験もあるぐらいだ。「一万円」と言わ…