いつの間にか消えていたePubs.jp - 無料のWebサービスにありがち、とはいえ

このブログを書いていて、「そういえばむかし書いたものをePub形式でアップしてたよなあ」と思い返して探してみたら、サイトが消えていた。そのサイトというのは、ePub投稿サイト。電子書籍が普及する黎明期に立ち上げてくれたサイトで、私はけっこういろいろアップしたかなあ。

b.hatena.ne.jp

いろいろ実験的なこともできたが、最終的にAmazonでだいたいのことはできるようになったので、世間からの需要がなくなったのだろうか。特に広告が出るわけでもなく、収益モデルが不明のサービスだったので、「やーめた」となるのもしかたないと思う。Twitterの公式アカウントも2013年の3月で更新が止まっているし、だいぶ前に消えていたんだなあ。Google検索では、2014年の夏頃までは動いていたような形跡もあるが、そのあたりで終わりのようで。

もちろん、データはローカルに保存してある。だから困ることではないのだけれど、課金するほどでもなく、ブログ記事でアップするには長かったり場違いだったり、まあ気に入った人はスマホで読んでください的な作品をアップしておくにはちょうどよかったんだけどな。とはいえ、他人のベータ版にタダで便乗する立場だから文句は言わない。むしろ、何年かの間だったけれど、ありがとうとお礼を言わなければ。

電子出版物は確かに増えて一定の市民権を得ている。ただ、狭い意味で「電子出版」といった場合は「有償コンテンツ」とほぼ同一の範囲を指すような気がする。もちろん広義の電子出版はウェブ上のコンテンツすべてを指す。だが、ブログにアップすることを「出版した」とは(日本語では)言わない。そんななかで、無償のePubs.jpは、epub形式というもののもつ表現の可能性を示してくれたわけだけれど、HTMLの進化のなかでWebの表現が広がって、あんまり意味もなくなったのかもしれない。「スマホでふつうのサイト読むのは疲れるでしょう。テキスト主体の電子書籍の形式のほうが親切ですよ」みたいなのは、もう説得力をもたないわけで。

ということで、過去のコンテンツのなかで、どこかで誰かが読めるようにしておいたほうがいいものに関しては、いっぺんまとめてアップする場所を考えたほうがいいかもしれない。可読性を考えるのならいまはかえってHTML形式のほうがいいように思うが、古文書のたぐいはひょっとしたらPDFのほうがいいかもなあ。ゴミ情報になってもいけないし。

ちょっと考えてみよう。