真音のアルバムが届いた。正直なところ、あまり期待していなかった。というのは、彼らがアップロードしていた予告ティーザーの音があまり良くないと感じていたからだ。いまにして思えば、貧弱なスマホのスピーカで聞いたのがよくなかったのだろう。せめて、しっかりしたイヤホンを使うべきだった。彼らの繊細な音は、細部まで聞いてこそ真価を発揮する。
ライブで聞けば、それがわかる。ただ、コロナの状況下、そういう機会も失われている。YouTubeに発表されたこんな音源は、その実力の一端を示してくれる。けれど、こんな小品で全てが伝わるわけはない。
ようやくまとまった形でアルバムが届いて、その魅力を十分に味わうことができた。以下、曲ごとにレビューしておこう。
1. Order
曲、というよりもイントロダクション。「ねいろブレンド」というコンセプトに合わせた音のアンサンブル。
2. 春便り
このアルバムのトップにして白眉。彼らの最新曲でもある。クレジットを見ると2人のメンバーの共作であることがわかる。演奏だけでなく、創作でも息が合っている。迫力あるmachiのボーカルの特徴がよく活かされている一曲に仕上がっている。
3. Tenderness
コロナ禍のやるせなさを歌い上げた曲。1年ほど前に公式YouTubeにアップされた楽曲だが、今回、改めてスタジオレコーディングされている。
4. 夜いろ
こちらも昨年動画がアップされたものの再レコーディング。ギターのベース進行がいいリズム感で曲を進めている。最後の和音がちょっとだけ不気味。
5. 伝えること
最も古い曲のひとつで、「歌いにくいし演奏しにくい」曲だと、発売記念オンラインライブで笑い話にしていた。ぎこちなくなりがちな曲をmachiのボーカルが救っている。
6. 朝凪
これもmachiとSubの共作。ギターの美しさは、さすがフィンガーピッカーのSubならでは。低音から高音まで無駄を排した音選びできれいに表現した曲に乗せて、ボーカルがどこまでも伸びていく。アルバムの掉尾を飾るにふさわしい一曲。
7. (?)
え? アルバムは終わったんじゃ? いや、ネタバレは…
全曲あわせて27分余りのミニアルバムだが、しっかりと聴きごたえはあった。