ミシェル・オバマを大統領に? - それは、ない、けれど。

ミシェル・オバマ大統領夫人の演説を受けて、「よっ、大統領!」ではないが、彼女を大統領に、という声がまたも上がってきているらしい。ヒラリーができるならミシェルだって、ということなのだろうか。

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もちろんこれは、外野の声。にしても、Twitter上では「大統領選に出てくれ!」という声が溢れているらしい。タイミング的に今年の選挙は無理でも、次回とか、その次とか。なかには、「まずは上院議員になって、そのあとで大統領選に」と、ヒラリー・クリントンの足跡をたどるようなアドバイスもあるらしい。

こういう話は初めてではないようで、この夏の民主党全国大会で演説したあとにも、「未来の大統領候補は彼女で決まりだ」みたいな話があったらしい。ただ、そのときの記事を見る限り、これはあり得ないストーリー。なによりも本人が嫌がっている。

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「嫌がっている」というのは、具体的な立候補の話に対してではない。そうではなく、ホワイトハウスでの生活にほとほと嫌気がさしている、というのが取材の内容。なにかというとセキュリティで縛られるのが苦しいらしい。ま、カラオケも気楽には行けない身分だからなあ。

もうひとつあげられているのは、彼女は本質的に政治嫌いだ、というもの。政治の哲学がないわけではない。そうではなく、現実の政治にまつわる駆け引きが嫌いらしい。これは、同じ大統領夫人を経験した誰かさんとは大きくちがう。策略とか裏取引とか、そういうのを嫌がる雰囲気は、たしかに持っている。

 

だが、だからこそ、私みたいな外野は彼女に期待してしまう。空飛ぶ犬とか地中の鳥のようにあり得ない存在である清廉潔白な政治家をそこに見てしまう。ま、ないだろうな。

今回の選挙でヒラリーが当選したら、「大統領夫人→大統領」という道筋には、それなりの強烈な不満が蓄積するはずだ。それは、一種の「王朝」である。ブッシュ王朝もアレだけれど、クリントン王朝だって、同じ家族がトップに立ち続けることでは同じだ。たとえ個人の資質で評価されて得た職だとしても、それに対するアレルギーは絶対にある。そういうアレルギー症状が残っているところに、次にオバマ王朝の成立を思わせるような行動は、普通の感覚ならできないだろう。

それでも私は思う。大統領が無理なら、せめて国務長官ぐらいやってくれよと。バラク・オバマのほうは、もう政治の世界からは引退してテレビの司会者でもやってくれればいい。いや、彼はカメラ写りがいいから、オプラ・ウィンフリーそこのけの名司会者になれると思うよ。そういう番組をぜひ見てみたいもんだ。

オバマ夫妻、二人とも表舞台から引っこむにはまだまだ若すぎるんだからね。

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