シアワセの容相

あしたはこっちだ

疑いだしたらきりがないという話

どうでもいいブコメに割とホシがついているので、補足しておこう。

家に届いた怪しげな封書がこちら→調べてみたらやっぱり詐欺だった「何と手の込んだことを」 - Togetter

こないだ実家に「警察です、特殊詐欺が増えていますのでご用心を」とかいう人が来たそうだが、80超えたウチの母親は「あいつが怪しい! 写真撮っとくべきだった」と言ってる。

2018/12/22 08:34

b.hatena.ne.jp

 

この事件(?)が起こったのは1週間ほど前で、たまたま在宅していた母親(事情で不在なことが多い)の家の玄関口に、私服の男が立った。ちなみに実家は50年ほど前に農村から都市化した地域で、現在はすっかり住宅地になっており、さらにかなり前から道路工事が継続していて交通整理員なんかも常駐しているので、まあ人目も多くて犯罪の起こりにくい地域だと思われる。

さて、母親が出てみると、男は何やらメダルのようなものを見せ(と母親は言っているが、警察手帳には派手派手しい紋章がついているので、それのことだと思う)、「特殊詐欺がふえていますので、高齢の方の独居世帯に注意を喚起しています」と言ってチラシを差し出した、というわけだ。そのときはなんとも思わず「ごくろうさま」と受けとって帰したらしいのだが、直後に、「ひょっとしていまのが犯人?」と思ったらしい。

というのは、チラシを渡す際、「お名前をおっしゃってください。「年齢は?」「お一人でお住まいですね」などと、細かに尋ねられたことに思い至ったからだ。そういうデータは警察のデータベースにあるだろうし、だいたいが、独居老人だと特定して訪問してきているわけで、そういうことを聞くのはヘンだ!というわけである。そうやって独居であることや氏名を確認した上で、改めて電話をかけてきて騙すんじゃないか、と疑ったわけだ。

いくらなんでも疑いすぎじゃないかと、私は思った。それで、そのときに渡されたチラシを見たら、ちゃんと警察の封筒に入って、どこからどう見ても本物の「特殊詐欺被害にご用心!」という内容でしかない。特に怪しいことは何も書いていない。

けれど、

「封筒なんて警察にいくらでも置いてある。チラシは本物を1枚手に入れたらいくらでもコピーできる。これが本物だからといって、あいつが本物だという証拠にはならない」

と言われたら、それはたしかにそうなのだ。ちなみにウチの母親は20年近いMacユーザーで、80代という高齢にしては、比較的時代にはくっついていっている(もちろん年齢相応にかなり足を引きずりながらではあるが)。そのときもつい最近買った(そしてガラスにヒビを入れてしまった)iPhoneを持っていたので、

「写真、とっとけばよかった。『おまわりさん、記念撮影させてください!』とか言ったら断れなかったはず」

みたいなことも言っている。実際、そのあと、カメラ付きインターホンに残っていた画像をiPhoneで撮ったそうだ(たぶん保存機能がインターホン側にあると思うのだが、そういうのを使えないのは実に高齢者らしいところ)。

「小さな画面だったので顔がしっかり写ってないから証拠にならないかもしれない」

と、悔やんでいたのも微笑ましい。

で、実際のところ、この警官が詐欺師の変装であったのかどうか、私にはわからない。ま、常識的に考えてそんなことはないと思うのだけれど、そもそも常識的に考えたらいわゆる「特殊詐欺」(この呼び方はヘンで、「情報詐欺」とでも呼ぶほうがいいんじゃないかと思っている)の多くが常識的な考えの盲点をついてきているわけで、断定まではできない。

「怪しいと思ったら警察に電話したらいい。そういう警戒作戦をやってるんなら大丈夫って言ってくれるはずだから」

みたいなアドバイスもしたのだけれど、警察の情報もどっから漏れるかわからないし、そういうキャンペーン中を狙ってそれを装った詐欺師が巡回しないとまでは言い切れない。疑いはじめたらキリのないこの世の中、なかなかスリリングでおもしろい。まだまだ人間も捨てたもんじゃないな。