電力逼迫時にEVの急速充電を割高にするのは、ありだと思う - 1人のEVユーザーの視点から

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ぽよぽよちゃん。 on Twitter: "電力逼迫注意報か警報が出たらEVの急速充電料金を10倍にしろ論。ええぞやったれやったれ。 https://t.co/ngr9rpZEh1" / Twitter

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実際、EVの電池はオフピーク時の充電によって電力需要の平準化に役立つ面もあるから、ピーク時には控えるような合理的判断を価格の方でコントロールするのはありかなと思う。どうしても必要なときは高くても払うから

2022/06/28 15:03

b.hatena.ne.jp

に、やたらと星がついている。このコメントはそのとおりで特に補足も何もないようなものだけれど、一応、私が9ヶ月のEVユーザーで、そして、ユーザーの感覚として「それはありだろうな」と思っているのだということは付け加えておいたほうがいいのかなと思って、書く。

まず、基本的にEVの充電にかかる電気代は安い。このガソリン価格高騰の折、実際、EVで助かったなと思う。どのくらい安いかというのは、実際には車によって大きく異なる。私は中古の三菱iMiEVに乗ってるが、電池がヘタっているので、充電性能も良くなく、さらにいえばもともと急速充電器の高電圧に対応できないので、そういう意味ではあまり安くない。ちなみに、自宅の充電は自宅の電気契約によって電気代が異なるわけだが、公共の充電設備での充電は、基本的に充電器の使用時間割の支払いになる。1分あたりに何円という価格設定だ。だから、同じ時間でも大量の電流を流すことができる最新式の電池を搭載したEVのほうが、圧倒的に電気代が安くなる。おそらく半額とか、4分の1とかのレベルで安くなる。だが、そこまで安くならない私の旧式のEVでも、距離あたりの値段にしたらガソリン代よりも安い。

具体的にいうと、200Vの通常充電器の場合、1時間で20kmぐらいの走行が可能な程度の電気が入る。私がいつも使うイオンの充電器は1時間で100円なので、100円で20kmだ。去年まで乗っていた軽は、リッターあたり17kmぐらい走ったから、いまのガソリン代なら20km走るのに200円ぐらいになるだろう。つまり、ガソリン車の半額だ。

急速充電の場合、三菱車なので、三菱のディーラーなら、1分あたり5円で入れられる。30分充電すると30kmぐらい距離が伸びるから、通常充電とほぼ同じ価格だ。悔しいのは、急速充電器の場合、上記のように最新型ならその2倍、3倍の電力量は同じ時間で入るので、さらにさらに激安になる。うまくすれば燃料代はガソリン車の2割とか、その程度でいくんじゃなかろうか。

そして、多くの場合、自宅で充電すればもっと安くなる。このあたり、契約によって大きく異なるのでなんともいえないのだけれど、kWあたり料金が30円としても、外で充電する場合の半額程度ではなかろうか。まあ、電池の性能がよければ、ディーラーで急速充電するほうが安いのかもしれない。このあたりは、私がそういう高級車を持っていないので、わからない。ときどきディーラーで高速充電器を占拠している高級車を見るから、そういうことなのかなとも思ったりもする。

ただし、私の場合、自宅充電はもうタダみたいなものだったりもする。というのは、10年の買取価格保証期間を過ぎた太陽光パネルが屋根の上にあるからだ。価格保証が過ぎると、買取価格は二束三文になる。この二束三文の電気、売らなければ、ある意味、二束三文で使うことができるということにもなるだろう。天気のいい日を見計らって、充電する。この場合、100Vの電圧なのでずいぶんと時間はかかるけれど、そのほうが電池のためにはいいのだし、時間なら通常はたっぷりある。こうすれば、実質の燃料費はタダ同然で、EVに乗れる。もちろん、たまには曇りの日が続いたり、翌日の予定のために夜間に充電しなければならないときもあるから、やや高めの電気代を払わなければならないときもある。それでも、ガソリン代に比べたら微々たるものだ。

実のところ、こういう詳細をレポートして記事にしようと思っているのだけれど、もう少しデータをためたいので、先のことにしている。とりあえず、今日は、まず「燃料費はガソリンに比べたらほんとに安いよ」ということを知ってもらうことが第一だ。そして、そのうえで、「必要があれば少々高くても気にしないよ」ということを伝えたい。

このあたりは、ユーザーによって違うだろう。けれど、上記のような「自宅で充電するのがいちばん安くて便利」という状況があるときに、じゃあ、なぜ公共の充電器を使うのか、ということになる。それは、基本的には走行距離が延びて電気が足りないからだ。だが、EVでそこまでの遠出はしない。もともと遠出に向いていないのを承知で買ってるわけだから、近距離用途が中心で、たまに都合で遠距離に出る。だから、公共での充電が少々高くついても、全体としては燃料費にほとんど影響しない。あるいは、外で充電するときに、必ずしも満充電まで持っていく必要を感じない。不足分だけ入れられれば、帰ってから充電するほうが時間の節約にも電気代の節約にもなる。

実際のところ、急速充電器の価格設定は、スポットによってけっこう違う。ディーラーは1分5円だが、イオンは1分12円だ。そして、他社のディーラー(よく使うのは日産だが)は1分あたり15円したりする。3倍だ! けれど、30分制限の充電、たかだか300円だけ余分に払うだけといえなくもない。そして、ピンチを脱するためにそこに充電器があるなら、そのぐらいの出費は安いものだと思える。そこで10分だけ充電することで家に帰れるのなら、3倍と言わず5倍、6倍でも私は使うだろう。

仮に10倍の価格設定がピーク時に実施されたとして、基本的にはその時間帯の急速充電器の使用は避けるように行動を工夫する。けれど、車なんて、使いたいときに使えるから魅力的なのだ。だから、必要があれば、日中でも乗るだろう。そして、電池が怪しくなってきたら、やっぱり急速充電器は使う。余分な電気代にヒヤヒヤしながらも、しょせん数百円で電欠の難を逃れられるんだったら、そりゃ、やむを得ないと思う。それでもトータルで見たら、ガソリンに比べて遥かに優位にたってることがわかってるんだし。

 

だから、電力逼迫時に急速充電器の設定を変えるのは、それはそれでありだと思う。そうやって不要不急の使用を回避できればいいのだし、緊急の使用で儲かった分は、いろいろと有効活用できるだろうと思うし。