蕎麦、といっても麺類としての「ソバ」ではなく、穀物としての蕎麦を初めて意識して食ったのは、たぶん20代の終わり頃、信州の土産で「蕎麦米」を買ったときだと思う。信州土産といえばそれ以前に蕎麦茶は何度かもらったり買ったりしていたので、そこまで遡…
こちらのTweet 電力逼迫注意報か警報が出たらEVの急速充電料金を10倍にしろ論。ええぞやったれやったれ。 pic.twitter.com/ngr9rpZEh1 — ぽよぽよちゃん。 (@poyopoyochan) 2022年6月28日 ぽよぽよちゃん。 on Twitter: "電力逼迫注意報か警報が出たらEVの急…
山岳部の連中は、案外とよく道に迷う。昔のことで、GPS使うのが一般化したいまのことは知らない。笑い話のようではあるが、反省会とか行くとアプローチで道まちがえたとか、下山の道に迷ったとか、割とよく聞いた。自分自身でも、しょっちゅう道を踏みまちが…
前回、「目標、努力、成功、成長について」という記事を書いた。 mazmot.hatenablog.com これはもともと、はてなを代表するブロガーのひとり、シロクマ先生のブログに感じた違和感が出発点になっている。 p-shirokuma.hatenadiary.com p-shirokuma.hatenadia…
家庭教師として生徒を教え始めたときに、最初に確認するのは「なんのために勉強するんですか」ということだ。もともと私は勉強が大嫌いだし(ちなみにざっと9割の生徒が「嫌いだ」と答えているからここでは多数派だと思う)、嫌いなことをあえてするのであれ…
前史(ここは飛ばしてOK) あまり気が進まないままに家庭教師をはじめて10年以上になる。そこら辺の事情は別で書いたので、繰り返さない。やっているうちにいろいろ考えて、「やっぱりこれは自分の仕事なんだろうなあ」と思うようになっていった。そこにすべ…
家庭教師は基本的にナンデモ屋だから、生徒が必要とするものはなんでも扱う。小学校の算数から高校数学まで教えるし、国語だったら平仮名の練習から漢文の解釈まで、英語だったらABCから英検1級まで、どんな教科でもどんな難易度でもやる。もちろん数学Ⅲとか…
…クイーン学院を卒業したとき、未来はまっすぐに、一本道みたいに続いてる、そんなふうに見えた。マイルストーンがひとつひとつ、先の方にはっきりと見える気がした。でも、いま、道は曲がっている。曲がったところの向こう側に、何があるのかわからない。け…
私はどちらかといえば牛乳をあまり飲まない。冷蔵庫にミルクカートンが常備されている、ということはなく、年に数回、500mLの紙パックを買う程度だ。ソフトクリームは好きだけれど、1つ食べるとほぼ確実にお腹を冷やしてしまうので、めったに食べない。乳製…
いま大学2年生の息子は、小学校卒業式に羽織袴で出席した。本来これは彼の思い出であり、私がどうのこうのと書くことではない。ひょっとしたら彼の中では黒歴史に近いものであるかもしれず、あまり触れられたくはないかもしれない。とはいえ、親には親の側の…
教育学業界のことは私にとっては謎だ。家庭教師という仕事をしている以上、それに関する学問に興味はあるのだけれど、入門書を眺めてみてもどうにも解せない。だから、アカデミックな教育の話になると私にはいろいろととんでもない誤解があるかもしれない。…
前回の記事 mazmot.hatenablog.com について、早速にブックマークコメントを頂いた。こういうことがあるからブログはやめられない。ありがたいことだ。 指標が勝手に自己実現してしまう現象について知りたい - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて 社会学的…
人間は外界の様子を知るために五感を備えているのだけれど、これが案外とアテにならない。アテにならないとはいえそれを使わなければ情報が得られないのだから、なるべくそのあやふやさをなくすために指標が用いられることになる。温かい寒いの感覚は前日の…
トンガの火山大爆発は、ほんとにすさまじい。被害の様子もまだよくわからないというのが、不気味だ。現地の人々の無事を祈るとして、ここにきて何やら話題になっているのがいわゆる平成の米騒動、1993年の冷害による不作に端を発した米不足だ。なぜなら、こ…
「子どもの貧困とライフチャンス」の各章の紹介、というよりも読書感想文をここまで書きつづってきた。監訳者のあとがきをのぞけば、これですべてである。あとがきについては、ふれる必要はないだろう。あとがきだ。このシリーズは、これでおわりにしよう。…
「子どもの貧困とライフチャンス」の第10章〜12章は、ここまでのまとめということになっている。10章は各章で述べられてきた事実、すなわち所得、家族の構造、幼児教育、学校教育、健康、健康、メンタル、住居、就労の問題を有機的にまとめ上げている。11章…
かせぐにおいつく貧乏なし、とはよくいったものだが、最近ではどうも貧乏の足がはやくなったのか、ときどきおいつかれてしまう。経済の基礎代謝があがっているからだ。過去30年ばかりも賃金はあがっていないのに、固定的に出ていく金額はジリジリとあがって…
長く生きてきたおかげで、いろんな場所に住んできた。豪邸からアパートまで、ひととおりの暮らしはわかる。いちばんせまかったのは公称6畳、天井を見上げたらベニヤ板が3枚半という便所共用の中野のアパートだった。いちばん惨めったらしかったのは、田んぼ…
「子どもの貧困とライフチャンス」の第7章は、第6章にひきつづいて健康の問題だ。そのなかでもとくに、メンタルヘルスにかんする問題をあつかっている。貧困下に暮らす子どもたちはメンタルをやられる。それがライフチャンスに影響しないわけはないだろう。…
「子どもの貧困とライフチャンス」の第6章は、「ライフチャンスには健康が必須条件だ。健康のためにはそれをささえる経済資源が必須だ。つまり、貧困対策をしなければならない」という理屈で論が展開される。これは2010年に出された報告書、通称マーモット・…
私は学校がきらいだ。自分自身の経験として、すきではない。学校の唯一の魅力は友だちとあえることであって、それ以上ではない。授業のすべてがつまらなかったかといえばさすがにそこまでではなく、たまにおもしろい授業をしてくれる教師もいた。けれど、そ…
「子どもの貧困とライフチャンス」という本の第4章は、保育・幼児教育と子どものライフチャンスについて書かれてある。私は近所の保育園に縁あって年に何度かお邪魔するぐらいの関係は小さな子どもたちとつないでいる。なので、この章にはとくに関心があった…
「子どもの貧困とライフチャンス」の第3章は、「家族」に対する考えかた、価値観の相違について改めて考えさせてくれる。というのも、日本ではたとえば夫婦別姓問題をつうじて、「家族の絆」を主張する保守政治家の存在が浮き彫りになり、その一方で同性カッ…
「子どもの貧困とライフチャンス」の第2章は、お金の問題だ。それは冒頭にはっきりと書いてある。「子どものライフチャンスを改善することをねらった戦略を立てるのであれば……、適切な世帯所得をあらゆる家族に保障できるような計画を含めることが必要になる…
最初、この「子どもの貧困とライフチャンス」の原本を受けとったとき、「なんじゃいな、これは」とおもった。というのも、門外漢の私にとってlifechanceといえば生存機会であり、すなわちそれは生きるか死ぬかの問題であるようにおもえたからだ。「そんな御…
久しぶりに、翻訳者としてのクレジットがはいった本が出る。英語の出版で謝辞を入れてもらったのはここ10年で2度ほどあるけれど、それは翻訳者としてではなくそのコーディネイトをしたという意味でしかない。翻訳者として名前を出してもらえるのは15年ぶりぐ…
「問題解決」は、家庭教師のような仕事をしていると避けて通れない概念だ。なぜなら、家庭教師の仕事は公教育の補完であると期待されているのだし、その公教育の基準を決めた学習指導要領には、「問題解決」の言葉が頻出する。そういう感覚でこの記事を読ん…
はじめに 現実がどうかとかいうことはさておいて、理念として有機農業に一定の価値があることはいまさらどうこういう必要のないことだと思っていた。小学校の教科書にさえ有機農業や無農薬、省農薬の概念が記載されるようになって久しい。世の中の全員が認め…
天皇陛下がオリンピック開会の辞を訂正されたということが報道され、ここ、はてなでもブコメが集まっている。「さすが」とか、あるいは先の「原稿糊付け事件」とあわせて「首相とくらべてどうよ」みたいなコメントがあって、それはそうだろうとは思う。 dot.…
ものすごくレベルの低い話をするのだけれど、世の中、議論することの意味を取り違えている人があまりに多いように思う。議論は、議論への参加者を説き伏せるために行うのではない。議論は、よりよい解決策を発見するために行うものだ。これは議論の大原則だ…