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シアワセの容相

あしたはこっちだ

大統領候補の差し替えはあり得るのか - 技術的に、ほぼ不可能

アメリカ大統領選、トランプのあまりの傍若無人ぶりに共和党が候補者の差し替えをするのではないか、みたいな話が以前からある。この期に及んでそんなことができるのだろうか? いまだにそういう可能性に触れている記事があったので、気になった。

www.newsweekjapan.jp

副大統領候補のペンスに候補を挿し替える可能性が取り沙汰されている、ということ。ただし、非常に低い可能性として。で、そういう話が本当にあるのかと思ったら、少なくともアメリカのマスコミレベルではあるようだ。たとえば、これは第二回の討論会前の記事だが、候補者差し替えの可能性を詳しく論じている。

www.businessinsider.com

で、前提となっているのは、「もしもトランプが降りたら」ということで、これはもう、あの人の個性からいって絶対に降りないだろうから、あり得ない。だから空論といえば空論だ。ただ、記事の中では共和党が候補を強制的に交代させることができるかどうかも論じられている。いくつかのシナリオは考えられるが、いずれも実現可能性はほぼゼロだろうということ。たとえば、党規則を改訂して候補者をクビにすることができても、その先は訴訟合戦になってロクな結果にならないだろう(したがってやらないだろう)とか。

ともかくも、選挙制度として候補者のすげ替えが技術的に可能なのかという点が気になったのでさらに読んでみたら、新たな候補の立候補届出は、まだ完全に締め切られているわけではないらしい。そういう意味では可能は可能。ただし、ここは連邦国家であるアメリカらしく、州によってはもう締め切られている。だから、全国規模での差し替えはできない。ところが(この点は記事には書いていないのだが)よく考えてみたら、アメリカの選挙制度は勝者総取り方式になっていて、しかも共和党必勝の州と民主党必勝の州はほぼ動かない。だから、共和党にとっては民主党必勝州では候補者を立てる必要はない、ということでもあって、やや複雑。おそらくすげ替え論が消えないのは、そのあたりの事情もあるのだろう。

とはいえ、上記の10月7日付の記事で「既に数州で締め切られただけでなく、近日中にさらに数州で締め切られる」とあって、時間はどんどん失われている。ということは、もう技術的にも候補差し替えは無理、と考えていいようだ。

 

まあ、何事が起ころうと、候補差し替えはあり得ないだろう。もしも共和党上層部がトランプ以外で勝てると踏んでいたら、もうとっくに、なにか裏技を使ってトランプを引きずり下ろしていたにちがいない。共和党がトランプを候補者として認めたのは、もちろん正式な手続きで勝利した以上仕方がないという事情もあるが、やはり彼が引っ張りこんできた新たな支持層に頼らなければ今回の選挙は勝てないと踏んだからなのだろう。トランプを失うことは、その支持層も失うことになる。それだけは避けたいというのが共和党幹部のホンネではないだろうか。

そして、トランプ大統領が誕生したら、そこはあの手この手でその活動を制限し、あわよくば健康問題かなんかで早めに引退してもらって穏当なペンスに引き継いでもらえたら、みたいな願望があったのではないかと思う。一旦当選さえ確定したら、あとは消えてもらってもいいタマぐらいに思っていたはず。それが投票前に持ちこたえられなくなって、今頃は後悔のホゾを噛んでいるだろう。だが、どうやらもう起死回生をはかるのは無理、らしい。