今年も、日本人の受賞者が生まれた。このイグ・ノーベル賞、毎年のように素晴らしい研究が脚光を浴びる。
毎日新聞の記事から判断すれば、
http://mainichi.jp/articles/20160923/k00/00e/040/177000c
元になった論文は、これかな?
なかなか読み応えがありそう。あとで読む、かな。
関連研究はこっちか。
見る角度が異なれば見えるものがちがう。見る姿勢がちがえば、やっぱり見えるものがちがう。そんなふうにまとめられば「あたりまえじゃないか」となるが、それを実証的に研究するのはまた別の話。そういう意味で、今年のイグ・ノーベル賞の受賞研究はすごい。
かつて京都府北部に住んでいた関係で、天橋立には何度も行った。「股のぞき」も、やってみた。けれど、「股のぞき効果」には気がつかなかった。どんなふうに見たって景色は同じだと「思い込み効果」のほうが強かったわけだ。
言われてみれば、そうかもしれない。山に登っていれば──特に岩場でのクライミング中には──、ずいぶんと無理な姿勢もする。無理な姿勢をするから見えるものも、逆にそんな姿勢だから見えなくなるものもある。絶対に無理、と思うようなポジションから思いがけないホールドが見つかったときの嬉しさといったら。
新しい業務をはじめたときには、周りがよく見えない。不安になり、緊張する。仕事だってうまくいかない。ドジばかり踏む。しばらくして慣れてくると、よく見えるようになる。「自分にはすっかり見えている」。そんな感覚は、毎日を落ち着かせてくれる。
けれど、それはたいてい偽りの感覚だ。もしもそんな安心に不安を覚えたら、股のぞきでもしてみよう。きっと、思い込み効果を中和してくれる何かが見つかるのだから。
追記
ブコメで疑問を感じた人が多かった「体の左側がかゆいとき、鏡を見て右側をかくとかゆみが治まる発見」についても書いた。