なぜ現金の一律無条件給付が望ましいのか

Covid-19というのかSARS-CoV-2というのか新型コロナウィルスというのか、ともかく現在渦中にある大流行への対策として、現金給付が取り沙汰されている。私は、全国民に対する無条件の頭割りの同一金額の給付が望ましいと思っているのだが、同時に、低所得者…

なぜいま9月新学期を検討すべきなのか

4月は学校新年度、というのはもう日本では明治以来常識であって、それを前提にした文化も定着している。入学式には桜の花吹雪だし(最近は温暖化と流行歌のせいで桜はすっかり卒業式に前倒しになったが)、教科書も春から始まる。たとえば小学校の理科では春…

翻訳者は裏切り者

はるか昔、英語の翻訳を学んでいたとき、「翻訳者は裏切り者」( translator is a traitor)という言葉を教えてもらった。元はイタリア語だということで、半分は音が似た単語を並べた言葉遊び(traduttore, traditore)とのことでもあるけれど、現実にそんな…

フリーランスという生き方と会社と - 遠い予告編

正社員的な雇用をされていた人が独立して自営業として、あるいは事業を立ち上げて、同じ業務に携わるのは、珍しいことではない。私の周辺のごく狭い世界でも、たとえば去年、家庭教師の会社の営業をしていた若い人が独立して営業専門の会社を立ち上げた。若…

なぜ27万円のAtomマシンが問題なのか

渋谷区が小中学生向けに導入を決めたタブレットのコストが1人あたり27万円に上ることが話題になっている。これが高いのか安いのか、それは考えかたによるだろう。だが、問題はそこではない。 www.excite.co.jp note.com ざっくり言ってしまえば、区が要求し…

ブログタイトル変更しました

ブログのタイトルを「シアワセの容相」から、「天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて」に変更した。何かきっかけがあったわけではない。ただ、そろそろ変更してもいいのかなという気がしてきた。それだけのことだ。 もともと、「シアワセの容相」というタイト…

公文書管理に関して独立調査委員会が必要なんじゃない? - 実態を知りたい(知る権利はあると思う)

「桜を見る会」の問題は、いろんな要素を含んでいる。私はこれまで最も重要なことはあからさまな選挙違反行為だと思っていた。禁じられている饗応を、こともあろうに税金を使って堂々と行っていたことである。その重大さはどこまでいってもいささかも揺るが…

変わってこその文化、受け継いでこその文化

地味に凄いWebsiteがあった。 chuseimonjo.net 日本の中世文書 数はまだ多くないのだが、古文書の画像が公開されている。それだけならまあ珍しくもない。凄いのは、それに音読音声をつけてくれていること。古文書の素養などまったくない私でも、音声を聞きな…

なぜ学校はワープロを受け入れない? - 「現実」に過適応していると未来が失われる

私の観測範囲だけのことではあるのだけれど、現代の小学校、中学校、一部の高校においては、パソコンを使用した提出物を受け入れない。もちろん細かいことをいえば例外はあって、たとえば小学校の夏休みの自由課題なんかでパソコンを使った研究みたいなのは…

ストロングZEROは危険? - 自分自身の合理的思考こそ疑うべきもの

ストロングZERO、というのは商品名なので、ストロング系アルコール飲料という言い方をしてもいい。あるいは、物質として正確を期すならば、人工甘味料添加カクテルという言い方もあると思う。その害が警告されている。 togetter.com これに対するブコメ群が…

大学受験の思い出 - 生存者バイアスから人は逃れられない

大学入試改革が荒れている。改革の目玉の二本柱を失って、「結局センター試験とどう違うの?」という結末が見えてきたのだけれど、まあ変わるところは変わるんだろう。そして、この一連の報道を見てきて、入試に対する自分の感覚は世間一般とずいぶんズレて…

いま、学習産業に携わる意味 - 時代は変わる

家庭教師の端くれとして再び学習産業にかかわるようになってもうちょっとで丸7年になる。「再び」というのは若い頃に出版業界の片隅の「学参」とよばれる分野で仕事をするようになり、20年ばかりその周辺で仕事をしてきた過去があるからだ。そういった「子ど…

最も公平な入試制度 - たとえそれが実現しても、平等は遠い

「入試制度改革」とそのドタバタ劇(特に「民間試験導入」をめぐるもの)を、私は冷ややかな目で見ている。高校生も教える家庭教師として無関係ではないし、実際その動向は商売にも大きく影響するのだけれど、どっちかというと「アホなことは勝手にやってく…

EVオーナーへの道は遠い - タイムリミットは近づいているのに

太陽光発電の買取制度で定められた固定価格での買い取り期間が、我が家でもあと半年で終了する。制度の開始から10年、ウチは開始年度の申込みは逃したが、まだまだ高値で売れた2010年には間に合った。ちなみに、当初買取価格の42円とか、次の年度の38円とか…

なぜ秋の高山に登ることが危険なのか - 後悔をこめて

以下に書くのは、いまとなっては素人同然の都会の人間が自分の感覚で書くことであり、統計などの根拠が何らない単なる「個人的な意見」である。けれど、かつてを思えば登山者が減り、そして樹林限界を超えるような高山に関して知る人が減少しているように見…

菜っ葉の炊いたんについて

昭和のおかずの代表的なものは「菜っ葉の炊いたん」だと思うのだが、この呼び方、既に若い人には通じないのかもしれない。 anond.hatelabo.jp 京都人だが炊いたんが通じない 京都に限らない。私は大阪の河内地方の出身だが、子どもの頃には「菜っ葉の炊いた…

学校はその権力性をもう少し意識したほうがいいという話 - 権力分立が民主主義の基本なのに

睡眠時間は成長期の子どもにもっとも重要だというのに 九州(あるいは福岡県)の高校には、「0限目」あるいは「朝課外」というものがあるらしい。たまにネット上の記事で目にすることもあったし、このブログのコメントでもそういう話が出ていたことがある。 …

なぜ若者に説教してしまうのか - 老害は避けられない運命

17歳の若い子を友人の家に連れて行った。この春まで家庭教師として教えていた生徒である。推薦枠を利用しての大学進学という方向性がほぼ確定したので、これ以上の受験準備も必要なかろうということで指導を終了した生徒だ。私の中では片付いた生徒だった。…

あるマラソンランナーのゴール

マラソン大会は何度か見に行った。父親が還暦を超えてからそういう趣味にハマってしまったからだ。12年間のランナーとしてのキャリアで26回フルマラソン大会に参加してすべて完走したのだから立派なものだ。私には真似できない。真似する気もなくて、それで…

社会の原理と個人の原理が異なることについて - 歴史と個人と

在日韓国・朝鮮人のことについて少し書くつもりなのだが、私は決してその方面に明るくはない。むしろ、私より上の世代の常識を基準にしていえば無知な部類に入るのだと思う。それでもその私の理解を書こうというのは、そういった不正確で誤りの多い理解でさ…

なんでノートをとるのかわからない - 美風なんだろうけど

白状すると私はノートを1冊使い切ったことがない。いわゆる大学ノート、学習用のノートのことだ。その小型版の手帳でさえ使い切ったことがない。途中からそれははっきりとわかったので、大学の山岳部にいたときには必要な枚数だけ白紙を小さく切ってホチキス…

言葉の力を信じること - 民主主義は道徳教育からはじまるのかもしれない

人間は、環境をより良い方向に変えていこうと工夫することで独自の進化を遂げてきた生物だ。たしかに一般に生物は周囲の環境を変化させ、そこにニッチを見出して進化してきた。しかし、ほとんどはそれを能動的に行ってきたわけではなく、その生物の存在が結…

しょせん政治は呉越同舟

どうやら私は自由主義者らしいのだが、なかなかこういう主張にぴったりくる政党はない。政治とは正義を実現するためのものであって、私利私欲のぶんどりあいではない。ただ、正義はひとの数だけ存在するわけで、その正義を折り合わせるために多数の人々が議…

なぜ人工甘味料飲料をとるべきではないのか? - 「自然」とか「人工」とかいう言葉は疑うべき、なんだろう

「自然なものは良くて人工のものはダメだ」というのは、ある意味、初期的な防御反応としてはわるいものではないと思う。この急速に変化する時代にあって、「人工のもの」は、新規物質であることが多い。それまで経験のない新規物質に対してはどのような反応…

タテマエはホンネを隠すための飾りではない、という話

どっちがホンネ? 子どもたちの教育はなんのため、と尋ねられれば、まずは「健全な発達と成長を促し、おとなになってからの充実した人生に備えるため」と答えるべきだろう。子どもは、周囲からどんどん新たな情報を吸収し、それを自分のなかで体系づけながら…

なぜ子どもに家事を手伝わせるべきなのか

つい数日前のことだ。中学1年生の親御さんに「夏休みに何をさせたらいいでしょうか?」と質問を受けた。小学校から中学校に上がるに際して成績が下がることが不安だからと4月から新たに教えることになった生徒だ。ご両親の不安は的中して、家庭教師を付けた…

「やるべきこと」はわかってるんだって - 多くの英語教育論は的外れ

理念は耳にタコ どちらかといえば発達障害気味だった私は子どもの頃、よく叱られた。特に宿題では、しょっちゅう担任教師に説教をされた。小学校高学年以降の宿題提出率はほぼゼロだったから(小学校4年生までは宿題そのものがなかったように思うのだが、そ…

保育園の仕事と経営者の仕事と

What business are you in? 私は「ガープの世界」以来のジョン・アーヴィングのファンなのだが、彼の作品群のなかで特に印象に残っているシーンがある。季節労働者の作業場でもあり宿所でもあるサイダーハウスでリンゴ酒の醸造中に、労働者のひとりであるジ…

障害を個性と言い切れる時代まで、まだまだ遠い

障害者について何かを書けるほど、私は障害者のことを知らない。もちろん身近にも障害者はいて、たとえば老齢の父親は近頃、障害者手帳を交付された。役所に行って手続きをしたのは私だから、これはまちがいない。ただ、だからといって障害者のことが以前よ…

子どもはどこまでわかれば大人になれるのだろうか

How many roads must a man walk down before you call him a man. ボブ・ディランの出世作、風に吹かれての歌い出しだ。いろいろ解釈はあるだろうが、人間は生物学的な存在だけでは人間ではなく、社会的に一人前と認められることが必要だ、というふうに読み…